タミフルの薬害ではないかと、インフルエンザ感染治療でのタミフル服用後の異常行動が話題になっています。
タミフルが出た直後は、すぱっと熱が下がる驚くほどの切れ味を示すときがあり、スゴイ薬が出たものだと思いましたが、すぐに耐性株の問題が出てきました。
昨年まではインフルエンザに罹患してタミフルを処方しなかったら、”なんだこの医者は!!”と言う感じでしたが(A型インフルエンザに効果があるアマンタジンを処方してもさえそうでした、患者さんからタミフルをと希望されることもありました)、昨今は「どうしましょうか」と尋ねることしきりです。
我が家では、タミフル耐性株の出現を受けて、タミフルとリレンザを昨年から”備蓄”しておりました。タミフルやリレンザは、薬剤承認の時の治験が5日間服用で行われていますから、処方されるときは5日分がひとまとまりになります。
でもインフルエンザウイルスは急激に体内で増殖して急激にいなくなるので、二日も服用すれば充分だと思います。でも5日間処方されちゃいますね。治療目的なら(予防じゃなく)1,2回服用すれば充分ですから、この備蓄量でも治療に関しては大丈夫と思っています。
タミフル前は、インフルエンザに感染したときは、家でゆっくりと養生するだけが治療だったのに、タミフル後はそれが一変しました。先にも書いたように、タミフルと処方しなかったら怒られるくらいの患者さんもおられました。今は、処方すると怒られそうですが。
タミフルが使えなくてもそれほど困りません。もちろん体力のない人には有用でしょうが、それ以外の人は、タミフル前に戻るだけです。
カゼを引いたときは、ゆっくりと静養することも必要ですよと体が教えてくれているのですから、その声に従うことも大事だと思います。それを押してもなお仕事をしないといけないこともあるとは思いますが。
異常行動をタミフルに結びつけるのは今の時点ではちょっと短絡的だとは思いますが(インフルエンザ罹患のみでも異常行動はおこりますし)、たとえ無かったとしてもそれほど困る薬ではないですから、耐性株を増やさないためにも、使用をかなり限定的にする必要があると思います。
或いは、インフルエンザに対しては、麻黄湯という漢方薬がとっても効きますから、子供さんなどは麻黄湯の服用で対応するということも出来ます(我が家はそうです)。
今回の騒動は、やはり薬を信頼しきって服用してはいけない、厚労省が認めているからといって安心とは限らないという当たり前のことが再認識できました。