「近くの小児科にかかったけど、良くなりません。お友達から聞いてこちらへ来ました」
とXちゃんのお母さんは言いました。Xちゃんは、アトピー性皮膚炎と喘息で苦しんでいました。

アレルギー専門の小児科にかかっているけれど、薬が増えるだけで全然症状が改善しないというのです。

「あぁそうですか、大変ですね」

診療室に入ってきたときから、原因は分かっていたけれど、普通に診療をはじめました。

Xちゃんは、緊張しているのか、こちらの問いかけにはほとんど答えません。

「じゃお腹を見せてもらおう、横になってね」

横になってお腹を触っていると、泣き出してしまいました

「あぁごめんね、おじちゃん痛いことしなかったつもりだけど、どこか痛かった?」

泣きじゃくるだけです。緊張の糸がほどけたのかも知れません。

「おじちゃんが、お肌がきれいになる方法を知っているよ、必ず良くなるよ。すべすべなるよ」

お母さんに、”あいうべ”を教えて、少量の漢方薬を処方しました。

2週後、きちんと受診してくれました。
診察室に入ってくるときに、お肌が改善していることが分かりました。

雨模様の表情ですが、今回は何とか大丈夫。

「どうですか?」
「随分と皮膚をかかなくなりました。”あいうべ”も何とかやっています」

「どうですか?」
Xちゃんに聞きましたが、答えはありませんでした。おじさんはとても警戒されているようです。同じ年頃の娘にもすでに
「お父さんきらい
と言われているので、仕方もありません。娘は、こちらが愛情を示すほど逃げていくようです。

お肌が徐々に改善するのを確認して
「頑張ったね。また会おうね。もっときれいになるからね
と診療を終えました。

抗アレルギー剤なんな使う前に、もっとやるべきことはたくさんあります。薬を処方するのは最後の手段です。医師も親も手っ取り早い方法をとってしまうので子供が迷惑します。

ちょっとしたことで体はどんどんと変化するのに。Mottainai!!