昨日は似たような悩みで来院された方がおられたのでちょっと意見を。

よく「筋肉をつけると痛みが楽になりますよ」って言葉を聞きますよね。

あれって実はよく分かっていないんです。腰痛があるから、腹筋を鍛えないといけないとか、膝の痛みには太ももの筋肉をつけないといけないとか言われますが、なかなか難しいのが現状です。腰痛も腹筋をつけろと言われますが、腹筋を鍛えて痛みが消えると言うことを支持する研究は少しです。

「今日来院された理由はなんですか?」

「腰痛で整体治療に通っていたのですが、なかなか治らなくて、筋肉をつけないと痛みは取れないって言われたんです

「ほうほう、痛みを取るには筋肉をつけろと言うことですね」

「えぇ」

「じゃあ、筋力の測定とか、太さだとか調べて貰いましたか?」

「いや、そんなことはされてないですね」

「筋肉がないから痛みがあるってよく言われますが、同じような筋肉量の人が皆痛みがあるなんてことはないですよね。またやせていて、筋肉がない人が全員あちこちが痛むなんてこともないですよね」

「えぇ」

「筋肉量や筋力をはからずにどうやって筋肉がないとか、筋力をつけた方がいいといえるんでしょうかね」

「さぁ」

 AKA博田法では、ほんのわずかな力で関節機能異常を治療していきます。なんだかちょっと触られている程度だぞ、くらいの力です。それで関節機能を改善していきます。

 治療の際に、強い力を必要としたり、必要以上に可動域をのばしたりと言うことはしません。ましてや「筋力つけないとだめですよ」なんて言いません。

 ほとんどの方が筋力をつけずとも痛みが改善するからです。

 「筋力をつけないと痛みは改善しませんよ

なんてことは、最初に言ってくれ!!

 さんざん治療費を払った後に、「筋肉をつけてください」なんて恥ずかしくて口にも出せません。治療者の技術不足を患者さんのせいにしているだけですから。

 筋力をつけてくださいと言われて、簡単につくなら、言われなくてもしてますって。いろいろ努力しても治らないから治療に来ているのに。

 痛みがあって筋力がつけられないのに、、、、。

 「じゃあどうしたら筋力がつくのでしょうか」

 「ストレッチとか、腹筋とか、、、、」

 そんなことで簡単に筋力がついたら苦労はしません!!

 現在成人男性を対象に自重負荷のみの加圧トレーニングの調査を行っていますが、低強度、低負荷でも短期間で驚くほど筋力が増強します。データをとってみてとってもビックリしたくらいですから。

 こういう方法を提供できるのであれば、筋力をつけなさいという指導は適切かもしれませんが、痛みで悩んでいる人に、筋肉をつけなさいというのは、あなたが努力しないから治らないんですと、治療技術を棚に上げているようなものです。

 痛み治療には、筋力増加といった”筋肉神話”には要注意です。納豆と同じかもしれませんよ、、、(時節柄)