娘が週末に急な嘔吐、発熱、下痢の症状で五苓散を飲ませていました。最近は、漢方を服用すると良くなることを経験して来たので、喜んで漢方を飲みます。
白色の便が出て「こりゃロタ(ウイルスによる嘔吐下痢)だ」と判断しましたが、翌日の夕方にはけろっと治ってしまいました。
あ〜子供の回復は早いなぁと感心しましたね。
翌日は月曜日、私は娘のお腹に当てていた私のバイオラバーと携帯を忘れてしまって、家への連絡はPCメールでした。
「携帯忘れたみたい」
と書いたところ
「娘と同じ症状、、、」
との衝撃メールが届きました。どうやら嫁にもうつってしまったようです。嘔吐下痢で特に嘔吐がひどい様子です。くわばらくわばらと思いながら、その夜は山口へ止まりでしたから早めに布団に入りました。
ところが、寝汗がひどい、、、寝てはいるのですがだるさと寝汗、少しの寒気で何だかネタ感じがしません。おでこに手を当てても熱はないようだし、、、、これはひょっとすると、、、明日の外来どうしよう。
長起きてみると、ちょっと動いただけで汗をかき、咽が渇き、顔がほてります。
こりゃやばい、カゼを引いたかも知れない。カゼなんて滅多に引くことがありませんから、ほんと珍しいんです。
手持ちの漢方薬を立て続けに飲んで(こういう急性期には量を重ねることが大事)症状を落ち着けると、証(漢方的な診断)が明らかに変わってきました。
それまでは、汗、ほてりなどが主体だったのが、背中のこわばり、腹鳴(お腹がごろごろ)になりました。
葛根湯は風邪の初期の薬としても知られていますが、下痢にも使うという条文があり、あぁこれが葛根湯の下痢の初期なのかも知れないなあと診断し、葛根湯と五苓散を選択し服用しました(五苓散の手持ちがなかったので、薬局の方に急いで持ってきてもらった)。
漢方薬を服すと、とたんに血の気が戻ってきたようで、心配していたナースが
「先生、顔色が良くなりましたね。漢方薬ってすぐ効くんですね」
とビックリしています。
この二つの組み合わせも、量を重ねましたが、ついに下痢を発症してしまいました。外来診療をしているために患者さんにつらい顔を見せることは出来ません。
トイレに行くと(省略します)、あぁこれはロタの便だなとはっきりと娘のロタをもらったことを実感しました。
何とか午前中の外来をやり終えて外来のベッドで横になっていました。すると、筋力アップクンの講習を約束していた患者さんが来院され、
「ごめん、ちょっと待ってもらって」
と少しの間待っていただきました。30分ほどでしょうか。ちょっと寝ると随分とラクになりました。下痢は相変わらず1時間おきでしたが、嘔吐は一回もありません。漢方薬のおかげでしょう。
証とは上にも書いたように漢方的診断のことですが、短時間でどんどん変化するときがあります。その都度、他覚的所見も変化していくので、患者さんに付き添っているととても興味深いのですが、一人の方にそこまでのことが出来ません。
自分の体で経験すると証のダイナミックな変化がよく分かります。今回も結局葛根湯と五苓散の後は、五苓散のみとなり、大事には至りませんでした。
聞くとロタウイルスかはやっているそうです。昨年末のノロウイルスほどではないのでしょうが、皆様も充分お気を付けください。
手洗いの励行をお忘れなきよう。
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