「Fさんという方からお電話です」

「Fさん、、、??だれ??まぁいいや、代わってください」

「はい、今井です」

「あぁ今井クン、高校の時同級生だったFだけど・・・」

紛れもない鹿児島弁ですから、おそらく同級生なのでしょう

「Fさん、Fさん・・・ごめん、ちょっと思い出せないんだけど」

私は、今だけに生きている男なので、極端に昔の記憶がなくなってしまっています。小学生の頃の記憶は、ほとんど無く、幼稚園??まったく覚えていません。

もちろん、転校が多かったこともあり、幼なじみなどもいませんし、友人の記憶もわずか数名を除いてはほとんどありません。

薄情ですね・・・

必死に記憶をたどっていくと・・・思い出せたような思い出せないような

「あぁ、あのFさん(自信ないけど)」

「福岡で開業してるって聞いたから、子供のことを相談しようと思って」

「あぁそう、どうしたの」

「かくかくしかじか、あれこれで」

「あらら、それはご心配。一度診させてもらった方が良いけど・・・」

「夕方は何時まで?」

「18時までに来てくれればいいけど」

「うん、分かった、連れて行くね」

「お気を付けて」

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さて、その日の夕方。お顔を拝見して分かりました。ご結婚されているので、名字は代わっていますが、Fさんでした。しかし、同じクラスになったことはないはず。

同じクラスの人の氏名さえもあやふやなのに、他のクラスとなると・・・お手上げです。分からないはずです。

子供さんを診察させていただいて、あいうべ体操と簡単な日常生活の注意点をお話ししました。

「しかしFさんは鹿児島弁がそのままだね」

「そうなの、福岡の前は埼玉だったけど、ずっとこの調子。だから子供も、家では鹿児島弁、外では違うの」

「それって、才能だよね。ボクもなかなかすぐには出てこないときがあるもんね」

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ともかく、思い出せて良かった良かった。