前回まで

調子が悪いといって入室してきた彼女を見て、”これは!”と感じました。

というのも、膠原病の匂いだったからです。膠原病というのは、自分の免疫システムが、自分の体を攻撃するというやっかいな病気です。関節リウマチが代表的なのですが、彼女の場合は、それとは違う病気の匂いでした。

膠原病といっても症状も多岐にわたり、病名も数限りなくあります。そのうちの2,3の匂いは共通しています。

(これはいけませんなあ。ここまでのはっきり出ている人も珍しいな)

と思ってはいましたが、いきなり

「あなた、良くない匂いですね」

なんていうと犯罪者扱いされそうです。

一通り身体所見を取り、生活指導を行いました。当然のことながら、口呼吸ですから””あいうべ”体操は必須です。

ちょうど良い機会だと、原田ナースにも匂いを確認させます。原田ナースもアロマ専門と言うこともあり、匂いにはとても敏感なのです。

「これが○○病の匂いだよ。今回の方は、非常に典型的だよ」

と教えると、彼女も匂いが分かったようです。

だるい、食欲がない、疲れやすいという症状が数ヶ月続いていると言うことでしたから、投薬はせずに、血液検査だけ行い(もちろん”あいうべ”も)一月後に再来と言うことにしました。

もちろん、初診の際には、一切匂いについては触れません。はっきりと教えて差し上げた方が言い方もいらっしゃるのですが、いきなり「あなたの匂いは・・・」なんて言われると、引いちゃう方ばかりでしょうから、自重しております。

でも、こういうことが知られるようになると、匂い診断も必要になって来るという気がしています。

さて、一ヶ月後、彼女は再来してくれました。

匂いはどうなったのでしょうか・・・