いま旬な話題と言えば残留農薬です。怖くて食品が食べられないって方もいるのでは?

私が出来るだけ漢方も使わないような医療を目指そうと決意したのも農薬です。

ツムラやクラシエ(元カネボウ)といった大手は生薬中の残留農薬などを厳しく検査していますが、中小となるとどこまでやっているのか分かりません。JTなんて大手もしていなかったのですから。

これから中国経済が発達して、第一次産業が衰退するだろう、そうなると漢方薬もとても貴重になるかも知れない、また農薬まみれで使えなくなるかも知れない、と考えたのがまだ21世紀に入らないうちでした。

まあそう言うことは置いておいて。

こう見てても救急医学を志していたのです。10年以上前ですから、 当時は

「救急なんてものをやって、将来どうやって食っていくんだ」

なんて真顔で心配されました。

こうやってほそぼそと食っていっております・・・

「マラソン中毒が入るみたいです。あと40分程度で到着です」

大学病院での勤務でしたから、他地域の病院からの転送が多かったのです。

ほんの入りたての何も知らない医者ですから

「ほほう、マラソンすることがとっても好きな人なんだな。でも中毒とはどういうことだろう」

マラソンして何らかの中毒になったのか、マラソンをすることそのものに中毒なのか、とにかく私の頭の中では、駅伝選手がたすきを掛けて頑張って走っている途中に、力尽きて倒れてしまうというイメージしかありませんでした。

「マラソンで中毒ってどういう状態ですかね?」

となりの先輩に聞くと

「???マラソンって農薬だよ。有機リン系の」

「あっそうなんですか。商品の名前ですか。農薬ですか」

疑問氷塊。

頭の中のマラソン選手も元気に走り出しました。

なんとも恥ずかしい思い出ですが、農薬と聞くといつも思い出してしまいます。