以前、よく化学物質過敏症(CS)の患者さんを診療していたときのこと。

CSの患者さんは、よく鼻血を出す。

それも人によっては結構な量。
鼻血は、悪いものを出している証拠という人がいるが、これは違うだろう。

それでは、瀉血が治療になるのかという話になる。

瀉血療法の歴史は古く、悪い血を流せば健康になると思われて、瀉血が流行った時代も合った。

私がまだ大学で診療していた頃にも、となりで、上司が瀉血をしていた(もちろんそんなに昔ではない)。

不在の時は、私がさせられていたので、「???」と思いながらしていた。

瀉血は、一部の病気を除けば、治療にならないだろう。

そうそう、鼻血の話だった。

鼻血を出すことが、CSを強く疑う所見でもあった。

CSの患者さんも必ず口呼吸をしている。これまでしていなかった人はいない。

そして「私は、ゼッタイにしていない(と思っていた)」とのコメントが出てくるのも特徴である。CS用のマスクをするのでなおさら口呼吸になる。そして、症状がさらにひどくなるという悪循環を来す。

身体の使い方を間違うから病気になってしまう。まずは、そこを正していくべきなのに、化学物質に全ての原因を押しつけてしまう。

もちろん化学物質の問題もあるだろう、しかしその前に、それに反応する体になってしまったことの方が問題なのだ。

まあそれは良いとして。

この鼻出血という症状。おそらくは、口腔乾燥、鼻腔乾燥、そして鼻咽腔炎によるものだと思われる。

鼻咽腔炎治療のために、Bスポット治療を行うと、この鼻出血という症状が消えていく。これまでいつも鼻出血あったのに、Bスポットを始めてから鼻血が無くなったという患者さんは多い。

もちろんあいうべ体操でも鼻出血が出なくなったという人もいる。

CS患者さんもおそらく、そのほとんどに鼻咽腔炎があるであろう。今となっては、治療をする機会がほとんど無いので確かめる手段がないが。

以前疑問に思っていたことが、このように新たに分かったことによって、すこし解けていくというのは、とても気持ちが良いものだ(でも、この推論、間違っている可能性もあり)。


CSの方も、まずはあいうべ〜ですよ。これで症状緩和例多数。