足腰の痛みで受診され方に、

「何かしてはいけないことがありますか?」
「やったらいけない姿勢などがありますか?」

とよく質問される。 
おそらく色々なところで、あれはだめ、これもだめと禁止項目が多かったからだろう。

痛みが良くなるとどうしても動きたくなる、それまで出来なかったことをやり始めてしまうのは人情だ。

でも改善するまでは、前屈みになったり、思いものを持ったり一切禁止、などと伝える施設もあるという。

このようなところは、いわゆる整体が多い。

あれもするな、これもするなでは、その安静によって改善したんじゃないかとも思えるが、すこしでも動いてしまって、痛みがぶり返すと

「その動きはしたらいけませんよ」

とのお達しが出てしまう。

痛みを取ってこれまで通りの動きが出来るようになるのが目的なのに、痛みを取るために、動きを制限されてしまうのは(一時的にであればもちろんいいのだが)困ってしまう。

「何か禁止事項は?」

と聞かれたときに、

「あまり筋肉を鍛えすぎないようにしてください」

と伝えるくらいで、細かいことは言わない。あまり気をつけてくださいとも伝えない。

禁止事項を伝えてしまうと、そちらに意識がいってしまって、”気がついたらやっていた”なんてことにもなりかねない。

やってはいけないことに注目するのではなく、やることに注目した方がよいと思うがどうだろうか。

あれもだめ、これもだめでは、良くなるために、つらいハードルを越えなければならなくなる可能性もあり、良くなるのが”苦痛に”なってしまうかもしれない。

良くなるために、あれとこれをする、という伝え方の方が、前向きに取り組める気がする。

姿勢作動差だけでなく、食事にもそのようなお達しが入りがちだ。

そうすると食事が苦行になる。それはあまりいいことではないのかもしれない。

痛みのために色々な制限があれば、「寝てればいい」ということにもなりかねないだろう。

少し動いて痛みが出ると

「動いちゃだめです」

と言われるのはやはり不条理。

痛みの治療のさいには、あまり禁止事項はありません。みらクリの場合。