「よく診療を見学に行きたい」と言われますが、「見ることないですよ〜」とお答えします。
役立つような見るべきものがあるわけではありませんから、時間を使って足を運んでくださる価値があるかどうかを考えていまいます

もしみらクリの医療に何かあるとするならば、病気の情報をバージョンアップする方法が、他院よりも優れているというところでしょうか。

身の回りの病気についての情報は、日々変わっていきます。もちろんその都度変えていくことも大切でしょうが、変えたからと行って病気が治るわけではありません。

「あなたの病気は治る病気ですよ」

このことを知ることが出来るだけで、病気の情報がバージョンアップします。そうすると、自然に治っていくのです。

現代は、”服薬 ”(薬を飲むこと)という行為自体が、おまじないとなって病気を治して行ってしまうことがあります。いわゆるプラセボですね。処方する側も、「効く」と思って処方してしまうと、やっかいです。

 「気休め」程度に処方した薬が、案外効果があった、なんて経験は医者であれば誰しもあると思います。

 Yさん、20年以上気管支喘息で苦しんでいました。

ある新聞記事を読んで、「これで薬が減るならもうけもの」と受診しました。

気管支喘息の患者さんは、すべからく口呼吸ですから、まずこれを治療します。治療すると行っても、患者さん自身がすべきことなので、私はアドバイス程度です。

そして、これまで、たくさんの人が喘息をの薬を止めていけたこと、具体的な症例をお話しすると、それだけで、”バージョンアップ”出来ます。

20年間、一生服薬し続けなければならないといわれた情報が、塗り替えられるのです。そして、それを実践することにより、薬のいらない体を作り上げていくことが出来ます。

Yさんの取り組みは始まったばかりですが、多くの場合、3ヶ月ほどで吸入薬などがいらなくなりますから(自覚症状も、ピークフローも改善)そのことをお話しして、3ヶ月で症状が変わらなければ、次の手段を講じます。

 患者さんの知識をバージョンアップするためには、私もそうならなければなりません。

それは、また患者さんから教えられるのです。

「あぁこんな人でも良くなるん」

「これを、こうすると病気が改善するんだ」

このように患者さんから、バージョンアップされた知識を、また次の患者さんへお伝えしていきます。

口利き屋のような仕事ですね。

案外このことだけでも、人は良くなっていくから不思議です。これが治る力なのでしょう。

みらクリに、見学に来ても、これらのことが繰り返されるだけですから、あまりおもしろくないでしょう。

むしろ、待合室の方が、大きな病気を抱えているにもかかわらず、元気で明るいと驚かれることの方が多いです。「勉強になりました」と帰られるときには、待合の雰囲気のことを仰る方が多い。診療のことについては「・・・」(笑

 患者さんから教えられ、そして教え、それを繰り返して、ともにバージョンアップを重ねていくのがみらクリの診療です。