勤労感謝の日に、愛媛保険医協会にて講演をして参りました。
久しぶりの松山です。
保険医協会とは、その名の通り保険医の集まりですが、福岡は医科と歯科が分かれていますが、各地では医科と歯科が一体となっています。

この度の講演は、愛媛保険医協会総会でのものだったのですが、当然医科も歯科も聴講の方がいらっしゃいます。

私の話は、「薬を使わない」というこのなので、歯科の先生方からの覚えはめでたいのですが(笑、医科からはだめですね(大笑

まず薬を使わないという”治療”自体に慣れていない、そして薬を使うことがすなわち治療であるという考えから脱却するのは大変です。

医療費の伸びの半分は、薬剤費です。これを減らすことは急務だと考えますが、新薬がどんどん開発されて”エビデンス”が蓄積されて使用量が増えてしまう。

今では、腰痛症にトラムセット(オピオイド)やリリカ(抗不安薬類似)、ノルスパン(オピオイド)などがすぐに投与されます。

特にオピオイド系の薬剤は、痛み止めとしてすぐに処方されるようですね。痛みの原因が、画像診断などではっきりしない場合はとくに。

こんなことでいいのかなあ、と心配しますが、それが世の中の流れなのでしょうね。痛みに対して、麻薬のような薬を投与すれば、それは利きますね。それでもって、エビデンスと言われても・・・・

それは置いておいて、講演後の懇親会で御年83という大先輩のお隣に座らせていただきました。お父様の代から小児科をされているとのことです。

「先生の話は、ちょっと眉唾ですねえ」と第一声(笑。

そりゃそうです。私も、呼吸のことでこんなに変わるなんて今でも信じられませんから。

「小児科医を60年やってきて、今日の話ははじめて聞いた。”口呼吸”という言葉を知らなかった」とも仰いました。

近著の中で、「医科の教育の中には、口呼吸の概念がすっぽりと抜け落ちている」と書きましたが、まさにその通りです。






その先生から、ご自分が寄稿された文章を集められた冊子をいただき、また後日著書もいただきました。

私は、このような大先輩と話すことが大好きです。というのも、検査がない、薬がない、物資がない、お金がない、ないない時代の医療を詳しく拝聴することが出来るからです。

人間の五感に頼り、間に合わせのもので治療をしていた時代です。今はそれらのことが”前時代的なもの”として軽く扱われる傾向にありますが、そのような時の診察や治療でも大切にしなければならないと思います。

電気がなければ、薬がなければ、どうやって治療をするのか。災害や戦争などこれから想定されることもあるでしょう。

知識の習得も大切ですが、知恵の継承も大切です。私は、そのような先輩方からの知恵を吸収したいと思っています。温故知新です。

帰りの機内では、早速冊子を読破し、様々な知恵と知識を吸収することが出来ました。

後日、いただいた著書にお手紙が同封されていました。

「昨日は、大変興味あるお話しをありがとうございました。早速、ソンバーユ液状を点鼻して寝ましたが、よく寝られました。
先生のお話を全部受け入れるには少々時間がかかりそうですが、大変面白い発想であると思います。昨夜隣に座ってお話しが出来たので、先生のお人柄が分かり幸いでした。私も物好きなもので、色々なことに首を突っ込んできましたが、もう年齢的にも限界かと思っていましたが、先生と話せてまだまだやろうと思います」

私は、心を打たれました。

実はかのウィリアム・オスラー卿も、著書「THE PRINCIPLES AND PRACTICE OF MEDICINE」の中で、口呼吸の弊害について書いています。そして、shut your mouth and save your lifeの言葉も出てくるのです。

でも、これを知る人はほとんどいないでしょう。

歯科にとっては当たり前の話でも、医科からするととんでもないどころか、まったく思いつきもしない発想なのです。口呼吸の弊害というのは。

このことが医療者に広くしれるようになるにはまだまだ時間がかかると思いますが、しっかりと伝えて行くことが、知恵を継承していくものとしての役目だと思っています。

ご参加下さった方々ありがとうございました!